寄生トランスクリプトーム

 ネナシカズラはこれまで遺伝子配列やゲノム配列が読まれた前例がありませんでした。そこで私たちはネナシカズラがダイズに寄生した部位からRNAを抽出し、高速シークエンサーIllumina HiSeq2000でリードを収集し、遺伝子配列を組み立てて、発現量を定量的に評価するトランスクリプトーム解析という作業を行いました。

 その結果、細胞壁修飾、転写制御、光合成、転移酵素、加水分解酵素、リン酸化酵素等のカテゴリーに属する遺伝子が、寄生部位において寄生側と宿主側で異なったタイミングで発現量の増減を示すことがわかってきました。これらのなかから、

・維管束の形成に関わる遺伝子群

・細胞壁の修飾に関わる遺伝子群

・表皮で発現している遺伝子群

等に焦点を当てて寄生への関わりを調べています。

ネナシカズラ(Cj, 寄生)とダイズ(Gm, 宿主)で同じような遺伝子が違う寄生段階で発現している。